アメリカ出産レポ、最後になります。
アメリカで出産してみて、一番想像と違っていたのは、「かなり母乳育児に熱心だ」ということでした。
なんでも合理的だし、根性論とかなさそうなアメリカ。想像では、すぐにミルクを与えると思っていました。なので、バースプランにも「勝手にミルクをあげないで」と書いたほどです。
実際は、勝手にミルクをあげるどころか、こっちからお願いしたとしても、入院中はミルクをもらえなかったと思います。
入院室の壁にはこんな貼り紙が↓
母乳育児を成功させるための病院側のポリシーが書いてありました。
私は、最初から完全母乳にはあまりこだわりはなくて、「出なかったらミルクでいいや」くらいに考えていました。
ただ、その緩い意思に反して、病院側はスパルタです。
毎日、母乳のコンサルタントが来て、
「赤ちゃんはちゃんと吸ってる?」
「1時間おきに加えさせてる?」
「どんな汁が出た?」
など、事細かに聞いてきます。
娘もお腹が空いたのか初日からギャンギャン泣きます。
「赤ちゃんは新生児室で預かるから、ゆっくり休んでね」とか、そういうサービスはありませんでした。
母乳が「出たー」と実感できたのは産後5日目です。減り続けていた娘の体重も増えてきました。
それまでも一切、ミルクなしでした。
母乳スパルタに驚きましたが、驚いたことがもう一つ。
娘の胎便です。
初めてのおむつ替えでおむつを開いたら、
真っ黒ののりみたいな物体が…。
べっとりしていて、拭くのも大変でした。
衝撃的すぎて、思わず写真におさめてしまいました。
真っ黒から緑混じり、茶色っぽく…量も少なく…となって、
母乳を飲み始めた頃には、母子手帳にあるようなうんちに変わりました。
胎便と授乳の関係をこれ読んで納得しました。
母乳がいい、ミルクがいい、じゃなくて、胎便を出すために母乳やミルクを与えるのを待つということだったのですね。
赤ちゃんの未熟な消化機能で、胎便を出し切ってから食事ができるように、母乳はすぐに湧いてこないのかなー?人間て上手く出来ているな…と感じました。
日本では、母乳信仰がめちゃくちゃ強いわりには、母乳が軌道にのるまではミルクを足せと言われたり、赤ちゃんがよく眠るようにミルクをあげるとか、情報がぐちゃぐちゃでよくわかりません。
アメリカ(私がお世話になった病院)は、「とにかく3日頑張れ!」でした。そのためのコンサルタントや、電動搾乳機の無料支給など、手厚くフォローされていました。なので、お腹すかしている娘がかわいそうと思いつつも、信じて頑張れました。
知らず知らずに、理にかなっているスタートを切れてよかったです。
ここまで長くなりましたが、
今回、初めて&待望の妊娠、出産をアメリカで経験できて本当に良かったと思います。
日本の妊娠、出産情報とアメリカの妊娠、出産情報と比べ、自分と夫で話し合い、責任を持って「良い」と思う方を選択できたというのが、
「納得のお産」に繋がったと思います。
アメリカというお国柄なのか、
「あなたはどうしたいの?」と常に聞かれます。
選択肢のメリット・デメリットを尋ねれば教えてくれますが、
「みんながそうしてるからあなたもやった方がいい」とアドバイスされることはありませんでした。
妊活を始めた頃、
「えらぶお産(大葉ナナコ・著)」という本を読みました。
タイトルに惹かれて読んだ本ですが、
どちらかというと「自然派」に誘導するような内容で、ちょっと疑問が残りつつ読み終わったのを覚えています。
なんか、そういうのが、無痛分娩が広がらなかったり、自然分娩や完全母乳じゃなきゃ!っていう思い込みを作り出すんだと思いました。
(もう4年ほど前のことなので、ざっくりした感想です。気分を害された方がいらしたらすみません。)
結果論ですが、
私が求めていた「えらぶお産」は
今回のアメリカでの経験のようなお産だったのだと思いました。
妊娠までの道のりは長かったけれど、
妊娠期間、出産は本当に楽しくてあっという間でした。(おおよそ順調だったからですが…。言葉のハンデがあったり、食べ物を始め何かと不自由な環境でも自分で選択して進めたので、しっかりと「楽しい」と感じられました。)
今、育児のスタートに立ちました。
育児も様々な情報があふれていて、混乱すること間違いなしですが、
夫も私も、そして、いつかは娘も納得する方法を選んで進んでいきたいです。
今後は、ぼっち駐妻の「育児」奮闘記が始まります。
よろしくお願いいたします。